第10回日本救護救急学会総会・学術集会 会長

山下 和範

長崎大学病院 災害医療支援室

 日本救護救急学会総会・学術集会の記念すべき第10回の大会長を拝命いたしました、長崎大学病院災害医療支援室・高度救命救急センターの山下和範と申します。名だたる先輩方に名を連ね、本大会の会長を務めますことは、大変光栄であるとともに、身の引き締まる思いでございます。

長崎大学医学部は、近代西洋医学の父と称されるヨハネス・ポンペ・ファン・メーデルフォールトが開設した医学校であり、そこで学んだ学生たちには、ポンペが遺した「医師は自らの天職をよく承知していなければならぬ……」という教えが深く刻まれています。そのポンペの名を冠した長崎大学医学部ポンペ会館にて、令和7年10月18日(土)に本大会を開催いたします。

「人生100年時代」と言われる今日、すべての国民が健康に天寿を全うするためには、自身のレベルに応じた運動を継続することが重要な鍵のひとつです。幅広い年齢層や背景を持つ方々が、安心して運動やスポーツを楽しめる環境を整えるために、何が求められるのか。その答えのひとつは、多くの市民が救護の知識と技術を身につけ、安心・安全なスポーツ環境を築くことにあると考えております。

各競技や教育現場における救護者育成の取り組みを共有し、今後の方向性を確認し合うことは、安心・安全なスポーツ環境の確立に不可欠と考え、本大会のメインテーマを「救護者の育成―安心・安全なスポーツ環境―」と致しました。

また、日本視覚障害者柔道連盟および日本ゴールボール協会の理事としてご活躍中の辻拓也先生と、一般市民への心肺蘇生教育を基盤に、サッカー会場での救護や災害医療の分野でもご尽力されている日本体育大学の鈴木健介先生をお招きし、教育講演を賜ります。

ぜひ鶴の港・長崎にお越しいただき、学会での活発なご議論を賜りますようお願い申し上げます。その後は、秋の長崎の味覚も存分にご堪能いただければと存じます。

歴史ある長崎大学医学部にて、皆さまとお会いできますことを心より楽しみにしております。